人間に最も必要なものは「生きる意味」なのか。忘れることの恐怖と安心。映画「memento」
Netflixで見つけてずっと観たいと思ってた作品、やっと観れました。
【あらすじ】
少し前の出来事を忘れてしまう前向健忘症という記憶障害を持つ主人公が、妻を殺した犯人を見つける物語。
直前にあった出来事や話した内容を忘れてしまうため、見つけた手がかりは全てメモして捜査する。しかしその症状を持つことを知っている人に騙されたり唆され振り回される。
最後の展開には、スッキリしつつも後味が悪いが、映画全体のコンセプトや世界観が一貫しているため全体としてすごく良い。
映画全体が二つに分かれており、一つが、
過去から未来へ進む白黒パート。
もう一つが、
未来から過去へ遡っていくカラーパート
となっています。
基本的に、未来から過去へ遡る形で物語が展開されていくため、一回観るだけだと理解しずらい部分が多い。
でも何回も観る価値のある映画だと思いました。
「忘れる」という人間の機能は便利で、いいことも忘れますが悲しいことも忘れることができます。昔、「アンビリバボー」で全ての出来事を忘れることができない人が取り上げられてて、悲しい出来事とか嬉しい出来事だけじゃなく、すれ違った人の顔や余計な情報まで覚えてしまいめちゃくちゃ辛いらしいです。
そう考えると「忘れる」機能は、生きていくうえで必要不可欠な機能かもしれません。
でも「忘れる」機能は紙一重で、都合のいいことばかりを覚えることはできません。
明日の予定とか忘れたり、渡さないといけない書類を忘れたり。
なかなかめんどくさい機能です。
メモに書いたらいいけど、それだと相手の表情だったりその時の周りの風景や状況まではかけません。
あくまでも断片的な情報になってしまいます。
映画の中でも、昔の自分が書いたメモに従い、昔の自分を信用して断片的な情報を鵜呑みにしてしまう、という場面が多々あります。
人間の脳って便利だけどなかなかめんどくさいですね。